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【部下の育成】良い所を伸ばすとは

仕事で部下を育成していく時に良い所を伸ばすのが良いと聞いた事があると思います。

リーダーをやっていると部下の悪い所に気付き、改善しようと色々教えても思った様に成長してくれない。

これをどうやって教えて成長してもらうか上司の悩みは尽きません。

ここで今回は部下を成長させたい、育成したいが上手くいかないと悩んでいるリーダーに良い所を伸ばすという事をテーマに僕の考え方を書いてみたので参考にしてもらえればと思います。

ダメな所を指摘しても成長しない

良い所を伸ばすと言う事に今ひとつピンとこないのがあります。

僕もそうでした。

部下の悪い所が目立ち、改善させようと躍起になっていました。

誰かの言葉で良い所を伸ばすと聞いた事がありますが、そういう問題では無いと思っていました。

小学校、中学校の義務教育時代を思い返すと"絶対に間違いをしてはいけない"という教育が特に印象に残っています。

中学の時の中間、期末テストにおいても間違いが多いと点数が取れず、周りからの評価が低くなるといった恐怖や、

何かみんなと違う事を言ったり、集団行動から外れた行動をすると"それは間違っているからダメだ"と指摘され、みんなと合わせないとダメだという心理になっていたのを思い出します。

TOYOTA(トヨタ自動車)の5回のなぜ?のように起きた問題について深く掘り下げて原因を追求し"改善"していく文化は日本語のまま"KAIZEN"として世界共通語として認知されている程、悪い事を直していく(改善していく)というのが注目されているほどです。

あえて言いますが、この教育環境の所為(せい)で我々日本人は特に良い所を伸ばす事よりも"ダメな所を改善する事"に注力しているのではないかと思います。

部下の良い所を見て伸ばすと言う事に今ひとつピンときていない理由がここにあります。

かなり優秀な部下なら指摘1発で改善してきますが、部下の9割以上はそうもいかないのが現実だと思います。

良い所と悪い所は対(つい)

部下の悪い所を意識してしまいますが、僕は良い所と悪い所は1つの価値観によって起きていると考えます。

つまり、本人が持つ1つの価値観が良い方にも悪い方にも作用している事に注目します。

例えばですが、

物事をハッキリ言う人が居たとします。

ストレートにハッキリ言ってもらった事で気付きになったと思う人はいると思います。

逆にハッキリ言われて嫌な気持ちになる人もいると思います。

これはハッキリ言う方が良いと思っているその人の価値観の表れだと思います。

ハッキリ言う事で相手が問題に気付いて改善しやすいのが良い点であり、逆にハッキリ言った事で傷つけてしまうという悪い点があります。

1つの価値観が人や場面によって、良い・悪いの両方が起きます。

これで良い所と悪い所が対(つい)になっているのが理解できると思います。

(つい、たい)とは、2つ一組で存在するものの場合に、その2つを一組とする見方の元でそれを指していう表現で、それらが対をなすという。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

図を作ったので見てください。

この様に1つの価値観で良くも悪くも両方が人や場面で作用している事がわかると思います。

上司であるリーダーは部下がハッキリ物事を伝える事で人に気付きを与えるスピードが早い、という良い点を伸ばす事に注力するのが望ましいです。

良い所を潰してしまう

そして逆に良い所を潰してしまう事があります。

これは、悪い所を改善させようとする時に起きるのです。

何故かと言うと、悪い所も良い所も1つ(対)の価値観で成り立っているので、悪い所を改善させようとすると、その人が持っている価値観自体を否定している事になるので同時に良い所も無くす原因となるからです。

このように悪い所を改善しようとすると、その人の価値観自体を変えてしまうので同時に良い所まで失う結果となります。

部下は持っている価値観を別の価値観に変えようとする事でデメリットが生じます。

例えば、

自分の考えは間違っていると自己否定からの自信喪失、そして頭が真白になってどうしたらいいか分からないなど、負のスパイラルに突入していきます。

この時、部下は相当元気の無い状態で仕事をしていると思います。

良い所に着目してそれを伸ばしていく方が自信喪失にもならず、明るく元気に仕事をしていくものです。

そこから部下が元々持っている価値観を潰さずに伸ばす事が出来るのだと思います。

良い所を気付かせる

その人の良い所を知る事ができたらそれを本人に気付かせる事をしてください。

人は自分の良い所についての自覚が殆ど無いからです。

何故かと言うと本人にとってそれは常識、普通、当たり前だと思っているからです。

上記の例で言うと、

「ハッキリ伝える事は相手にとって大事な事だからそれは当たり前じゃないの!?」

と、このように考えているので、これが自身の良い所だとは一切思っていないので自覚がないのです。

自覚が無いから"これがあなたの良い所だと伝えて自覚させる必要がある"のです。

自覚しないと意識してそれを伸ばそうと本人は思わないです。

良い所を見つけるには悪い所がヒント

これについてはズバリ、悪い所を見つける事から始めます。

悪い所はそれが良い所にも必ず作用しているからです。

上記で説明した通り、良い所と悪い所は”対”になっているので、初めに悪い所を見つけた方が良い所に転換しやすいからであります。

今まで悪い所ばかり意識していた方には特に意識してほしい点だと思います。

片目を瞑る

今まで悪い所を見て本人の成長の為に指摘してきた方からすると、片目を瞑って悪い事を指摘せずに見逃すという事が一体何になるのか困惑すると思います。

片目を瞑る事が部下成長にどう繋がるのか持論ではありますが解説します。

何回も言いますが、良い所と悪い所は対(つい)であります。

上記で説明した通り、悪い所を直そうとすると同時に良い所をも無くす事になります。

これを置き換えると

悪い所に目を瞑らないと良い所まで無くすと言う事に繋がります。

つまり、悪い所を指摘し過ぎると良い所も無くなってしまうので悪い所には目を瞑らないと良い所が伸びないと言う事になります。

図を見てください。

悪い所を改善しようとすると、その人の良い所を含めて価値観自体が無くなります。

悪い所に対して片目を瞑るとその人の良い所を含めて価値観自体は残ります。

これが片目を瞑る意味だと僕は解釈しています。

悪い所は抑制されていく

良い所を伸ばす事を本人が意識し出すと悪い所は本人の意識によって抑制されていきます。

ハッキリ物を言う価値観の例でみると、

他人が良い気分になってると感じた場数と、逆に嫌な感情になる場数を経験していく内に、嫌だと思われる場面において本人が抵抗感を覚える様になっていきます。

これでハッキリ言うを使う場面とそうでない場面の使い分けを感覚で覚えていくからです。

まとめ

今回は部下の良い所を伸ばすというテーマで僕の経験上の持論を記事にしてみました。

一つの価値観は対(つい)になっているので良くも悪くも場面や人によってどちらかに作用します。

悪く作用した時にそれを直そうと意識すればする程、良い所も同時に無くなっていきます。

良い所を伸ばそうと思うなら、まずは悪い所を見つけ、その本人の価値観が良い形でどう転換できるのか場面を想像するのがポイントであります。

部下を持つ上司である皆さんの参考になればと思います。

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