僕が高校生の頃(90年代)渋カジの中でもハードアメカジが強烈に流行っていました。
お手本は木村拓哉さんか江口洋介さんで、ワンレンの長髪、
ボトムは古着のリーバイスの501xx、ビッグE、66、赤耳モデル、若しくはデッドストックの517ブーツカット、646ベルボトム、684ビックベルボトム、
アクセサリーはゴローズのインディアンジュエリー、
靴はレッドウイングかチペワのエンジニアブーツ、時にはトニーラマのウエスタンブーツ、
そしてアウターにはバンソンRJPのワンスター(当時の言い方で正式名称はRJPモデルワンスターだと思います)が流行っていました。
同じ高校生でバイトもろくにしていないにも関わらず何故、数万円から数十万する服やアクセサリーを持っていたのか不思議に思いましたが、恐らく親パワーが効いていたのではないかと思います笑
最近、大人になった僕が親パワーを借りずに笑、バンソンのモデルB(RJPワンスターは今の時代ちょっと抵抗がありました笑)をなんとか古着で購入したのでメンテナンス(オイル入れ)をしてみました。
古着で購入したバンソン モデルB
僕が購入したバンソンのシングルライダース モデルBになります。
購入時、元オーナーは今から12〜13年前に新品で購入し、数回の着用したぐらいとの事。
全体の状態を見ていくと、袖口や肩付近など革の擦れが全く無いので良いですが、各ファスナー部分の開け閉めが固く、それ以外の点で特に気になったのが革表面のシボが荒々しく、全体的に乾いた印象です。
とは言っても、購入から全くオイル入れをしていない訳ではなく、メンテナンスされていた物だと思います。
バンソンの場合、個体によって革質にバラつきがあります。
シボが大きくハードに見える物と、シボが小さく滑らかな物と個体差がある様ですが、今回の個体はボディーの表と背中部分のシボが大きく、袖部分は比べると若干しなやかになって表面がツルッとしている物でした。
ひどい物であればボディー右表面と左表面の革質が全く異なる個体もある様です。
僕が購入した個体はそこまででは無いですが、脇下、腕部分の革のつなぎ目を見ると同じ革1枚で製作した物では無い事が分かります。
新品を購入する際は、全体の革質を見て気を付けたいポイントだと思います。
ちなみにショットのワンスター613USTを所有していますが、革質は全く別物で全体的に毛穴が細かく、シボも無く、しなやかな感じです。
これについては後日、簡単な記事をUPしようと思います。
メンテナンスに必要な物
今回は全体のオイル入れとファスナー部分を滑らかにする作業をしていきます。
今回、メンテナンスに使う物ですが、
・馬毛ブラシ
→1,760円
・マスタングペースト
→3,386円
・タオル2枚(オイル前とオイル後用)
→100円均一や家にある物
・ろうそく
→110円
消費税合わせて大体5,256円ぐらいです。(タオル代無し)
馬毛ブラシやマスタングペーストについては他の革ジャンやブーツなど、今後の革製品のメンテナンスに使う物なのでハードアメカジ好きには1つずつ購入しておきたいツールです。
オイルメンテナンス
ではメンテナンスに移ります。
まずは、腰部分のサイドアジャスターベルトを外します。
このモデルは付属のフリースインナーが付いていたので外します。
ブラッシング
馬毛ブラシで表面の埃を取り除くのにブラッシングしていきます。
全体のブラッシング画像は撮っていませんが、アクションプリーツ(背中にある腕の付け根が伸びる部分)の中を含めて念入りに全体にブラッシングしていきます。
今回使用したブラシはこちらコロニル 馬毛ブラシです。
オイル入れの前のブラッシングはとても重要で、表面に埃が付着したままオイルを塗っても埃がオイルを吸ってしまう事で革の内部にオイルが浸透しにくくなるのでとても重要な工程になります。
また、日頃のお手入れで馬毛ブラシは着用後の度に使用する物なので必須の物であります。
レザー好きなら最低1つは持っておきたいメンテナンスツールでしょう。
タオル拭き
お湯で濡らしたタオルで全体を拭いていきます。
古着で購入した場合、見た目が綺麗でもブラッシングでは落としきれていない埃や汚れを無くしていくのに必須の工程です。
オイル入れ
では、メンテナンス本題のオイル入れを行います。
使うオイルはマスタングペーストを塗って革内部のケアをしていきます。
僕は古着の革ジャンや中古のレザーブーツの初めてのメンテナンスには必ずマスタングペーストを使います。
■マスタングペーストの特徴
・動物性の油でほぼ馬油100%で浸透力が高い
・革への栄養補給に優れ、革内部からケアする
・革が柔らかくなる
・光沢感はそこまで無い
他にもラナパー レザートリートメントという、マスタングペースト同様に優れたオイルがありますが、僕は古着の革ジャンへの最初のオイル入れには使わないです。
理由は植物性の油だからです。
乾いた牛革には同じ動物性の油(馬油)の方が相性が良く、最初のメンテナンスに適していると判断しました。
特にメンテナンスされずに時間が経った古着の革ジャンは油分が飛んでしまい、革が乾いている状態なので硬くて表面がザラついてる場合があります。
マスタングペーストは革への浸透力が早く、内部から栄養を与えるスピードが違うので革を柔らかくする、ザラつきの改善、潤いなどに適したオイルだと思います。
マスタングペーストは指に付けて塗っていきます。
オイルを塗る時にブラシや布を使うやり方もありますが、レザーのザラついた乾きのある部分を手の感触で確かめながら塗っていくので指や手を使っていきます。
これは僕の中で古着の革ジャンを購入し、最初のメンテナンスの儀式的な作法になっています笑
指につける量は少量ずつにします。
多めにベタベタ塗ってしまうと後にカビの発生の原因となりますので注意してください。
プリーツ内や脇下にも手を抜かずに満遍なく塗って行きます。
サイドアジャスター付近、アジャスターベルトの裏表にも塗ります。
古着でアジャスターベルトがちぎれている個体を目撃する事がたまにあります。
これは革が乾いて劣化した事でちぎれてしまうので防ぐのに効果的です。
あとはファスナー付近の角や裾の縁部分の擦れが起きやすい箇所にもオイルを塗っていきます。
ジャケット内側の革部分も忘れずに全て塗っていきます。
ファスナーのサビ防止や滑りを良くする為に金具部分にも塗ります。
ファスナーメンテナンス
全体的にオイルを塗ったら次にファスナーの滑りを良くする為のメンテナンスです。
購入時、胸ポケットや下部ポケットのファスナーの稼働が固かったのでメンテナンスします。
100均でやコンビニで売っている普通のろうそくを使います。
ファスナーに擦っていくのでなるべく細いろうそくが適していると思います。
作業としてはファスナーを閉めた状態で擦っていきます。
ろうそくを擦った後はファスナーを何回か開け閉めをしてろうを馴染ませます。
胸、下部にある全てのファスナー部分にろうそくを擦っていきます。
仕上げ
そして最後に仕上げになります。
豚毛ブラシで馬毛ブラシの時と同じ要領で全体をブラッシングしてオイルを馴染ませていきます。
今回使った豚毛ブラシはAmazonで購入したコロンブスのブラシです。
豚毛ブラシでブラッシングすると塗ったオイルの光沢感がなくなり、自然な感じに仕上がっていきます。
仕上がり後
画像に青みが掛かっていて申し訳ありませんがオイル後と前との比較になります。
背中側です。
見てわかる様にオイル後と前の違いはさほど無い様にも思えますが、拡大した画像をご覧ください。
画像では伝わりにくいかもしれませんが、実際にはオイル前のボコボコしたシボがオイル後では若干しなやかになり、滑らかになった感じです。
マスタングペーストは光沢感を出すオイルではなく、革に栄養を与える目的のオイルなので仕上がりに大きな変化は見られなく、あるとすれば若干マットな感じの印象を受けると思います。
初めて古着の革ジャンなどにマスタングペーストを塗って使った方は見た目の変化はないので何か物足りなさを感じるかもしれませんが、
暫くメンテナンスされていない古着レザーには他のオイルには無い、圧倒的な浸透力と栄養補給に優れているという感覚は実際に使った人にしかわからないオイルであると思います。
塗った後、着用する度に革の質感の変化と共に体にフィットしていく感じを得れると思います。
最後にマスタングペーストで仕上げた全体をご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回、古着で購入したバンソンのシングルライダース モデルBにマスタングペーストでオイルメンテナンスをしてみました。
結果、見た目の変化は感じられませんが、革表面のシボの荒々しさがしなやかになり、乾きに潤いを与えられたと思います。
オイルを塗った後に着用し、日が経つ度にレザーがしなやかになっていくのを感じ取れると思います。
古着のバンソンを購入しメンテナンスされる方の参考になれば幸いです。
今回のマスタングペーストでメンテナンス後、ラナパーで光沢感を出す記事
古着の最初のレザーメンテナンスにはマスタングペースト
今回使用した馬毛ブラシ
仕上げに使った豚毛ブラシ
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